にゃんにゃんにゃん!
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【にゃんにゃんにゃん!】
番外編 はちかけ!inシンドリア
アリババ×はちかけ君
朝、目が覚めたら僕の頭に猫耳、そして尻には尻尾が付いていた。
無理矢理取ろうとしたけど、生えているようで引っ張ると痛い。涙目になりながら、労るように猫耳と尻尾を撫でた。
「おはよう、アリババ君」
「おはよ。あれ、なんで頭に布かぶってんだよ」
「っ!いや、ちょっと肌寒いかなあ、って?」
「肌寒いわけねーだろ。ここの気候は暖かいんだし……ははーん」
何かに気付いたアリババ君は、布を取り去ってしまった。気付いた時には遅かった。僕の猫耳がぴるぴる動くのを見られてしまった。
「あ、う、き、気持ち悪いでしょ!?だから、もう、」
「すっげええ!なんでこうなってんの?うお、動いてる!」
「あ、アリババ君…?」
目をキラキラ輝かせながらじっと見てくるアリババ君。そっと彼の指が猫耳に触れた。
「にゃ、あ!」
「えっ、今……」
「…もう、ほら!鍛錬の時間だし…んにっ!」
「くすぐったいの?」
「ひ、ぁう…くすぐったいから止めてください……!」
僕は必死に抵抗するのに、アリババ君の力にちっとも勝てやしない。うう……悔しい。
「もしかして尻尾もある?」
「あ、ありません!はっ、アリババ君っ……!」
「嘘つき。本当はあるんだろ?」
アリババ君が僕の着物の裾から手を入れて尻尾を探す。くすぐったくて上がった息をなんとか整えていく。
このままじゃ駄目だ。アリババ君に流されてしまう。彼の指が尻尾に触れた瞬間。
「んも、やめなさい!」
「ぐぼっ」
「あっ……思いっきり入っちゃった」
軽く諌める程度にしようとしたのに、思いの外、鳩尾に入ってしまった様だ。
(あの…シャルルカンさん、お届けものです)
(あん?アリババじゃねぇか。あれ…お前、なんで)
(失礼します!!)
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