初めは意識していませんでした。あのことが起きるまでは。

世界はそれをストーカーって呼ぶんだぜ?×0.5


先生に頼まれた資料を資料室に持って行かなきゃいけないのに、とても重たかったんです。ふらふらしながら向かっていたら、人にぶつかってしまいました。


「いたた……」

「う……あ、す、すいません!大丈夫ですか?」

「こっちこそごめん。大丈夫だよ。それよりこれ、君の?」


ぶわっと散らばっているプリントを指で指す金髪のイケメン。私は緊張してこくこくと何度も頷いていました。


「すすすいません!今すぐ片づけます!」

「俺も手伝うよ」

「わ、悪いですよ!そんなの!」


大丈夫、大丈夫と言って綺麗に素早く集めてくださった。私はこの時確信しました。この人が、私の王子様なんだ…!


「本当にありがとうございました!」

「いいって。気をつけてね」

「は、はい!」


こうして私は黄瀬君に一目惚れをしました。