はちかけ! | ナノ



熱そうだと璃里は床に転がるアラジンを見て思った。以前、彼もヤムライハにされたことがある。彼の場合は熱ではなく、冷水だったが。


「だっ、大丈夫かアラジン!?」

「大げさね、 ちょっと集めた水を蒸気にして放出しただけよ!」

「なるほど、そういう原理だったのですね」

「璃里も受けてみる?」


結構です、と璃里は首を横に振った。ヤムライハの魔法はもうあれで十分だ。


「あんたたち…今度やったら、あんたたちの身体ごと蒸発させるわよ」

「どうして僕も……!」

「あんた、避けたでしょ。見てたんだからね!」

「おねえさんって…やさしそうなのに、やさしくないんだね…」

「余計なお世話よ…」


ヤムライハは溜め息を一つ吐いた。伝説の「マギ」だというのに、ただのエロガキでぽっちゃりしている子どもだ。


「「マギ」相手だと、気を遣うのかい?」

「そりゃ、「魔導士」の私から見たら格上だもの」

「「魔導士」ってなんだい?」


何も知らないアラジンに、ヤムライハは頭を抱えた。「マギ」なのに……伝説の「マギ」なのに…!


「知りたいんだ、おねえさん。どうか、僕に教えておくれよ」


アラジンの真剣な表情に動かされたヤムライハは、机に近づいた。「マギ」と「魔導士」について、話し始めた。

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