5 隣に座るアラジンは、心配そうにアリババの名前を呼んだ。アリババは眉間に皺を寄せながらも、話の続きを促した。 「俺とて奴らを許せない。だから、強大な敵に対抗するために、少しでも多くの力を必要としているんだ」 「俺たちが『力を貸す』って……どんな風に?」 「これ以上詳しくは話せない。それは、組織との戦いに、君たちを完璧に巻き込むということだ…」 シンドバッドは苦笑しながら、更に続けた。 「それには、君たちはまだ力不足だ。今、組織と戦っても、返り討ちだろう。力を付けるのが先決だよ」 またここでも役に立てないのか…。アリババは申し訳なさそうに、頭を下げた。 「アラジンの『魔法』もまだまだ未完成のようだからね」 「そうなんだ。僕もあの時、力不足をとても感じた。もっと魔法が使えるようになりたいのだけれど、どうすればいいのかわからないんだ」 「魔法か…」 シンドバッドは考えを巡らせ、思い当たる人物を出した。 「それは、魔法を使える者に教わるのが良かろうな。ちょうど、我が国の『食客』にも『魔法使い』がいるぞ」 「「えっ!?」」 璃里があまり会いたくないなと思ってしまったのは、ここだけの話だ。 「おおい、ヤムライハ!」 「はい、王よ!」 「『魔法』は『マギ』だけのものではないのだよ。彼女は、優秀な水の『魔導士』だ。きっと力になってくれるよ」 prev / next |