4 「二人共、そんな調子では困る!!」とシンドバッドは拳を作り、食客の在り方を話した。 「君たちも彼らと同様にぜひ、俺に力を貸してほしい!」 「力を貸すって…?」 「…とある相手との、戦いにだ……」 ジャーファルとモルジアナと別れ、場所を移動した四人。璃里の隣にシンドバッドが座った。 「『とある相手』?」 「ああ。俺たちは、シンドリア建国以前から、ある“組織”と深く因縁があり、何度も戦い続けている」 組織――アル・サーメンは、戦争、貧困、差別…それらを意図的に生み出している。 ある時は貿易商、ある時は政治顧問、ある時は官女などと色々な姿に変装し、国の要に潜入し影から歴史を操作しようとしている。 「最早君たちにも、無関係ではなくなってしまったから話すのだ。先のバルバッドの一件で、奴らは君たちに目を向けたからな!」 「それって…………」 「そう、あの時『銀行屋』を名乗り、バルバッドを経済的混乱に追い込んだ男。そして、ジュダルや黒い『ジン』、煌帝国の背後にあるものこそ『アル・サーメン』に間違いない!」 アリババはそれとなく察していた。カシムを“あんな風に”追い詰めたのは自分とあの銀行屋だ、と。 しかし、今は予感が確信に変わってしまった。アリババはショックを隠せず、思わず立ち上がり手をギュッと固く握りしめた。 prev / next |