はちかけ! | ナノ


14

アラジン、モルジアナと占いが終わってしまった。再び退屈が訪れる。


「あ!璃里おにいさんを占ってないじゃないか!」

「そういえばそうですね」

「でも自分自身を占ったことが無くて……」

「やってみようよ。僕、気になります!」


どこかで聞いたフレーズに押され、璃里はまた筮竹を手に取った。何を占おうか……。悩んだ結果、未来について占うことにした。

集中して、一本だけ筮竹を取る。凶、だった。


「きょ…凶…」

「え!?凶なの!?」

「私たちは吉だったのに……」


ふと、船に乗る前にシンドバットと交わした会話を思い出した。


『君を捜している者がいるらしい。気をつけろ』

『はい!』


璃里の脳裏に浮かぶのは、愛しい妹の姿。彼女が災厄を運ぶのか?そんな、まさか――


「璃里おにいさん!」

「っ!アラジン君…どうかしましたか?」

「璃里さん、何か悩んでいるのですか?」

「僕たち、力になれるかもしれないからさ!」


どうしようか。しかし、ジュダルによって母親を殺したことは、アラジンにまで知られている。


「……まずは、僕の生い立ちから話しましょうか」


モルジアナに話をしたことを更に深く掘り下げる。

母親は煌帝国出身で、璃里の物心がつかぬうちに出ていってしまったこと。

その一週間後には、義理の母が兄と妹を連れて来たこと。

妹と自分は父親からも愛情を注がれずに育ち、義母を殺したこと。

その時に妖刀と出会ったこと……すべてをさらけ出した。

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