はちかけ! | ナノ



周囲の者達は息を飲んだ。ジュダルはつまらなさそうに「ジンが出せないんじゃ、ただのガキじゃねぇか」と言って、またカシムに氷柱を投げるように命令した。


「でもね、ウーゴくんは僕に力を残してくれたんだ」

「白い、巨人…!?」

「なんだよ…ただの熱魔法じゃねえか。つまんねーガキだ、な!」


ウーゴくん…僕はもう大丈夫だよ。君に教えてもらったし、たくさんの友達ができたんだ!ウーゴくん…僕はもう一人じゃないよ。

これがマギの力…。アリババの隣で、璃里はただ傍観するしかなかった。黒い巨人と白い巨人。


「ハルハール・インフィガール!」


光がジュダル達を包んだ。アラジンはモルジアナの方を見た。


「モルさん、おじさんを町に連れて行ってくれないかな?」

「で…でも、」

「ここは大丈夫!おじさんに会わせたい人がいるんだ」


アラジンの言葉に頷き、モルジアナはシンドバットを連れて行った。

今日のアラジンは違う…これなら、勝てるかもしれない…!アリババはそう確信した。しかし、アラジンはこう言った。


「うん、僕だけじゃ勝てないな」

「えっ!?なに、言って……」

「だけど、アリババ君の力があれば勝てる」

「んなこと言ったって……俺にはもう力がないし…」

「アリババ君、僕も支えます」

「璃里…」

「それにアリババ君、これを見て」


アラジンが空中に杖を振ると、町の様子が映し出された。暴動を起こす市民に、違う市民が目を覚まさせている。人々が、また再生を促している。

アラジンはこれを不死鳥だと例えた。何度でも、何度でも、屈することなく蘇る。

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テーマ「人外ファンタジー」
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