はちかけ! | ナノ



「ん…う……」

「アラジン君…?アラジン君!」

「璃里、おにいさん…?」

「よかった…。本当に、よかった……!」


思わずギュッとアラジンに抱きついた。一時は危険な状態だったのだ。それを乗り越えたのは、ウーゴくんの持ち主のマゴイのおかげ。


「璃里おにいさん、僕はアリババ君を助けなきゃいけないんだ」

「彼は王宮にいます。ワタシもお供させてください」

「もちろん!だって僕たち、友達じゃないか!」

「はい!」


寝台から飛び降りたアラジンを見て、看護していた女が「もう具合はいいの?」と尋ねた。するとアラジンは、にっこりと笑い「大丈夫さ!」と元気よく答えた。


「行こう、アリババ君の元へ!」


アラジンのターバンに乗り、王宮へと急ぐ。初めての感覚に璃里は、若干腰が引いていた。



王宮の上空に止まり、アラジンは一気に下降した。璃里はアラジンの腰に掴まり、目を瞑る。目映いルフの光の柱が、アリババの前に刺さった。


「アリババ君!」

「アラジン…!」

「やっと来たか、チビ…。俺も俺のジンを手に入れたぜ。さあ、お前もジンを出しやがれ!!」

「アラジン君!」


ジュダルが杖を振ると、黒い怪物――カシムは氷柱を放り投げた。しかし、アラジンの防御魔法によって弾かれた。


「ウーゴくんかい?ウーゴくんはね……もう、いないんだ」

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テーマ「人外ファンタジー」
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