8 「ん…う……」 「アラジン君…?アラジン君!」 「璃里、おにいさん…?」 「よかった…。本当に、よかった……!」 思わずギュッとアラジンに抱きついた。一時は危険な状態だったのだ。それを乗り越えたのは、ウーゴくんの持ち主のマゴイのおかげ。 「璃里おにいさん、僕はアリババ君を助けなきゃいけないんだ」 「彼は王宮にいます。ワタシもお供させてください」 「もちろん!だって僕たち、友達じゃないか!」 「はい!」 寝台から飛び降りたアラジンを見て、看護していた女が「もう具合はいいの?」と尋ねた。するとアラジンは、にっこりと笑い「大丈夫さ!」と元気よく答えた。 「行こう、アリババ君の元へ!」 アラジンのターバンに乗り、王宮へと急ぐ。初めての感覚に璃里は、若干腰が引いていた。 王宮の上空に止まり、アラジンは一気に下降した。璃里はアラジンの腰に掴まり、目を瞑る。目映いルフの光の柱が、アリババの前に刺さった。 「アリババ君!」 「アラジン…!」 「やっと来たか、チビ…。俺も俺のジンを手に入れたぜ。さあ、お前もジンを出しやがれ!!」 「アラジン君!」 ジュダルが杖を振ると、黒い怪物――カシムは氷柱を放り投げた。しかし、アラジンの防御魔法によって弾かれた。 「ウーゴくんかい?ウーゴくんはね……もう、いないんだ」 prev / next |