はちかけ! | ナノ



太陽が昇り、次の日がやってきた。璃里は寝台の上で伸びをし、体力が戻っているのを感じた。


「おはようございます、モルジアナ」

「おはようございます。それで、何かご用件が…?」

「僕もみなさんの役に立ちたいんです。だから、何か手伝えることがあれば…と」


モルジアナは璃里の顔をじっと見て、彼の腕を掴んだ。


「も、モルジアナ!?」

「ジャーファルさんに許可を頂きましょう。私じゃ判断できないので」

「ジャーファルさん、ですか!?」


サーっと血が引いていくのが分かった。昨日のことがマスルールによって伝えられていたら……!


「おや、璃里。もう大丈夫なのか?」

「は、はい!それで、モルジアナの手伝いをしていいかと許可を頂きに…」

「いいですよ。ただし、体調不良になったら、即刻帰ってくること。いいですね?」

「はい」


失礼しますと恭しく礼をして退出しようとした時、ジャーファルに顎を掴まれた。怒っている。確実に怒っている…!


「言わなくても、わかりますよね…?」

「はひ!このひょうな真へはほんほひっはひしまふぇん!(このような真似は今後一切しません!)」

「それならいい」

「し、失礼します!」

「…?」


モルジアナだけ事情を知らないので、首を傾げるばかりだった。


大量の布を篭に入れ、廊下を通った時に、モルジアナがふと視線を落とした。唐突な行動に璃里は驚き、彼女と同じように視線を落とす。

そこには剣を持ったアリババが居た。おそらくシンドバットに使い方を教わっているのだろう。


「僕も、頑張らなきゃ」

「私も」


二人は顔を見合わせ、こくりと頷いた。

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