5 太陽が昇り、次の日がやってきた。璃里は寝台の上で伸びをし、体力が戻っているのを感じた。 「おはようございます、モルジアナ」 「おはようございます。それで、何かご用件が…?」 「僕もみなさんの役に立ちたいんです。だから、何か手伝えることがあれば…と」 モルジアナは璃里の顔をじっと見て、彼の腕を掴んだ。 「も、モルジアナ!?」 「ジャーファルさんに許可を頂きましょう。私じゃ判断できないので」 「ジャーファルさん、ですか!?」 サーっと血が引いていくのが分かった。昨日のことがマスルールによって伝えられていたら……! 「おや、璃里。もう大丈夫なのか?」 「は、はい!それで、モルジアナの手伝いをしていいかと許可を頂きに…」 「いいですよ。ただし、体調不良になったら、即刻帰ってくること。いいですね?」 「はい」 失礼しますと恭しく礼をして退出しようとした時、ジャーファルに顎を掴まれた。怒っている。確実に怒っている…! 「言わなくても、わかりますよね…?」 「はひ!このひょうな真へはほんほひっはひしまふぇん!(このような真似は今後一切しません!)」 「それならいい」 「し、失礼します!」 「…?」 モルジアナだけ事情を知らないので、首を傾げるばかりだった。 大量の布を篭に入れ、廊下を通った時に、モルジアナがふと視線を落とした。唐突な行動に璃里は驚き、彼女と同じように視線を落とす。 そこには剣を持ったアリババが居た。おそらくシンドバットに使い方を教わっているのだろう。 「僕も、頑張らなきゃ」 「私も」 二人は顔を見合わせ、こくりと頷いた。 prev / next |