24 「どうよ、夏黄文?」 「流石であります、姫君」 夏黄文達を乗せた絨毯が降りてきた。魔装を解いた紅玉は、治療中の夏黄文に目を遣った。 「ジュダルちゃんの具合はどう?」 「応急措置はしておりますが…治すにはきちんとした施設が必要ですね」 紅玉がその答えに「じゃあ早く行きましょう」と言ったその刹那。光の球が彼女の横を掠めていった。 光の横の持ち主は、アラジン。ターバンの上に乗り、普段持っている杖の先に光を灯していた。 「なに、貴方?私達は化物に襲われた身内を助けただけよ?」 「違う。ウーゴくんはみんなを、僕を守るために戦っただけなんだ!先に手を出してきたのは、その人だ!」 アラジンが指を指すと、紅玉は冷たく跳ね返した。 「そう。じゃあ、貴方があの化物の主ね?」 「…?」 「下にいるアイツらも、仲間なのね?閻心、閻体、閻技、やっておしまい」 ターバンに乗るアラジンを越え、三人は絨毯から飛び出した。アリババとモルジアナは瞠目した。三人とも、巨大で屈強そうな男達だったからだ。 「この子は私が片付けるわ。そのゴミ達は三人で、皆殺しよ」 紅玉の言葉を皮切りに、彼らは地上にいる人々を襲い始めた。シンドバットの指示で、マスルールは像の様に鼻が長い――閻体を押さえつけようとした。 prev / next |