22 開かれた手から落ちたジュダルには、痛々しいほどの赤い痕が残っていた。なんて凄まじい力だ…!シンドバットはただウーゴくんを見上げることしかできなかった。 「ウーゴくん!?ウーゴくん!」 必死にアラジンが呼び掛けるが、気にも止める様子がないウーゴくん。 止めを刺すかのように、手のひらを合わせ、高く上に掲げる。すると、手の回りに桃色の赤みがかった光が集まっていく。 「まずい…。全員逃げろ!!」 シンドバットが叫び、避難を指示した。その瞬間、ウーゴくんが合わせた両手を地面に叩きつけ、まばゆい光が辺りを照らし、破壊した。 「うっ…あれ…」 「大丈夫ですか?」 「モルさん…助かったよ、ありがとう。そうだ、璃里おにいさんは?」 「璃里さんは見てないですね…」 モルジアナは持ち前の瞬発力を活かし、アラジンとアリババ、その他の霧の団員を助けたようだ。 気がついたアリババは、モルジアナに「みんなは?」と尋ねた。 「シンドバットさんの迅速な対応によって、負傷した方はいないと思います」 「よかった…」「でも、直撃したあの人は……」 モルジアナが下を見下ろす。そこにはジュダルが横たわり、地面が大きく凹みひび割れていた。 prev / next |