はちかけ! | ナノ


21

必死にウーゴくんを戻そうと試行錯誤しているアラジンに、ジュダルがまた一つ氷柱を投げつける。


「アラジン、危ない!」

「っ!?も、モルさん!」

「大丈夫ですか、アラジン」


モルジアナの自慢の脚力でアラジンを間一髪で救い出す。呆気に取られているジュダルに、アリババが斬りかかって行く。

ジュダルの防壁魔法を剣で斬ろうとするが、彼の頬をかする程度しかできなかった。


「いってーな!忘れてたよ…。迷宮攻略者だったな、お前」

「アリババ君!」

「誰も邪魔すんじゃねーよ!俺はマギ同士で存分に戦ってから、このチビをぶち殺してえんだからよ!!」


その発言に、ウーゴくんは唐突にジュダルに殴りかかってきた。防壁魔法で防いだが、壁に叩きつけられてしまった。

ジュダルが息つく隙もなくすくらい、間髪入れずにウーゴくんは殴り続ける。とうとうジュダルは鼻血を出し始めた。


「ちょっ、ちょっと待て!なんなんだよ、そのジンはぁ!!」

「どうなっているんだ…?アラジン君の意を介さず、マゴイを使わず、動くジン?」

「つまりソイツは!そのジンは……お前のジンじゃない!!」


ジュダルは雷魔法をウーゴくんに浴びせ続け、一瞬の隙を突き、巨大な氷を貫通させた。


「勝った!」


確信したその時だった。ウーゴくんの両手は、ジュダルを挟み込もうと動いた。

慌てて防壁魔法をしたジュダルだが、どんどん狭まっていき、ついに潰えてしまった。

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