17 仕切り直しとでも言うかのように、ジュダルはパンパンと手を鳴らした。再び集中し、王の器を捜す。 「見ぃーつけ、た!って、お前…昼間アブマドの豚にいじめられていた奴じゃん!」 「っ……!」 「ククッ!本当お前って…情けない奴」 「情けなくなんかない!!」 ジュダルから受けた攻撃にまだ痛むのか、アラジンは右目を押さえながら立ち上がる。その力強い声にアリババは「アラジン…」と声を漏らす。 「勇気ある人なんだ!!彼は決して情けなくなんかない!!」 「へえ…チビ、そんなに見込んでいる王候補なのかよ」 ジュダルはおもむろに先端に赤い宝石が付いた杖を取り出し、光を集めて球体にしていく。 何かが起きる。皆が感じ取ったその時だった。 「俺にはそうは見えねーけど、な!」 「かっ…!?」 「アリババ君!!」 「ほらこんなに弱え!なんでお前こんなくっだらねえ奴とつるんでいんの〜?」 璃里が短刀を向けようとした時、アラジンが杖の先に光を集め始めた。 たくさんのルフがアラジン君の杖に集まっている…。璃里は短刀を握りしめたまま、アラジンの杖に目を奪われていた。 「なんだ?戦う気満々みてえみたいだなァ!!おい!?」 「別に君と戦いたいというわけじゃないけど、これ以上僕たちに何かするなら止めるよ」 「やめるんだ二人とも!!」 シンドバットが叫ぶが、ジュダルは「今のあんたじゃ止めることはできないだろ」と見透かされ、アラジンは友達を傷つけられたことに感情的になっているようで聞く耳を持たない。 prev / next |