はちかけ! | ナノ


15

「それよりも俺が好きなのは…戦争だよ!!」

「なっ…」


この黒いルフの持ち主は何を言っているんだ。璃里が困惑している中、ジュダルは近年の煌帝国の目覚ましい発展を興奮気味に話した。


「まあでも、俺が一番組みたいのはシンドバットだけどな」

「何度も言ってるだろ。俺はお前らの操り人形にはならない」

「ちぇ、つれないヤツだな。あ?」


アラジンの方を見て、何かに反応したのかジュダルがシンドバットに尋ねた。


「おい、あいつの周りだけおかしくねえか?」

「……お前と同じ、マギだよ」

「はあ!?こんなチビなのがマギぃ!?」


近づいてくるジュダルに身体を強張らせるアラジン。璃里は静かに短刀を右手で握る。


「だってマギってのはすげえだぜ?世界を変えるためにルフを送り出す、創世にして最強のマゴイの使者!それがマギなんだぜ?」

「彼もマギだから、お前も反応したんじゃないか」

「…………」


口を閉ざしたジュダルは、にこにことアラジンに微笑みかける。態度の変わり様に璃里達は警戒した。



「よう、チビ!俺はジュダル。お前は?」

「……アラジン」

「そっか。アラジン、マギ同士よろしくな」


差し出された手に、おずおずと手を出すアラジンの手は握り返されなかった。ジュダルの拳が、アラジンの顔にぶつけられたからである。

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