11 「璃里さん!もう休んでいてください」 「なんで…僕はまだ、っごほっごほ!」 「っ!ちょっとここで待っていてください!」 慌ててモルジアナを追いかけようとしたが、突然視界がグラリと揺れた。 「モル…ジアナちゃ、ん……」 璃里は地面に倒れ込み、懸命に身体を起こそうとするが無理だった。畜生、こんなところで…! 俺を使えばよかったのによ。 自分の頭の中に、妖刀の声が響く。耳が痛くなるような割れた音に眉をしかめる。 「誰が……お前を…使う、か…」 そこでプツリと璃里の意識は暗転した。 888 次に目を開けたら、シンドバッドの心配そうな顔があった。 「シンドバッドさん……」 「心配をかけさせるな。貧血だそうだ」 「すいません…。あ!あの【霧の団】は…っ!」 「急に起き上がると、また倒れるぞ。【霧の団】は、俺が加入した」 シンドバッドの言葉を聞き、璃里は固まった。今、なんて言った…!? 「か、加入って、なんでですか!?」 「彼らは国を守るために、団結していたんだ。俺はそこに痺れてね、加入を申し出た」 なんていう上司なんだ。璃里は目眩がして額を押さえると、シンドバッドは「どこか具合が悪いのか?」と聞いてきた。 あんたのせいだよ!というジャーファルのツッコミが欲しくなった。 prev / next |