8 アラジンが笛から出した青い手を見て、シンドバッドは「君がマギなら話さなきゃいけないな」と呟いた。 シンドバッドは自信満々に胸に手を当て、アラジンにこう言った。 「俺はシンドバッドだ!」 「……璃里おにいさんが呼んでいたからもう知ってるよ?」 「ぶふっ」 「ジ…ジャ…ファルさん、くくっ……笑っちゃダメですよ…!ふふ」 「分からないの?マギなのに?幾重にも航海を重ね、世界中の海7つの海全て冒険した男!」 それでも分からないのか、首を傾げているアラジン。シンドバッドの説明で、すごいとはわかっているようだが、イマイチ理解できていないようだ。 「……本題に入るか。君に【霧の団】を捕まえるのを手伝って欲しいんだ」 「なっ、こんな子供たちに!?」 「マギは関係ないだろう。それに、璃里も子供だ。第一……金属器を盗まれてしまったからなあ」 「あんたのせいだろうが!!」 ズバり突っ込むジャーファルに、気にしないシンドバッド。 「実はモルさんは暗黒大陸に行きたいんだ。でも……今は船がないらしくて」「【霧の団】の影響ですか…」 「もし【霧の団】の討伐に手伝ってくれたなら、暗黒大陸行きの出航約束しよう」 「ほんと!?よかったね、モルさん!」 「よし、そうと決まれば作戦を練ろう。じゃあモルジアナちゃんはホテルで休んでいて」 「えっ…」 ぐいぐいモルジアナの肩を押していくシンドバッドだが、彼女の表情の変化に気づかなかった。 突然ガンッ!と大きな音が聞こえた。モルジアナが足で硬い地面を砕いたのだ。 「私も戦います…!」 「は…はい」 prev / next |