はちかけ! | ナノ



アラジンが笛から出した青い手を見て、シンドバッドは「君がマギなら話さなきゃいけないな」と呟いた。

シンドバッドは自信満々に胸に手を当て、アラジンにこう言った。


「俺はシンドバッドだ!」

「……璃里おにいさんが呼んでいたからもう知ってるよ?」

「ぶふっ」

「ジ…ジャ…ファルさん、くくっ……笑っちゃダメですよ…!ふふ」

「分からないの?マギなのに?幾重にも航海を重ね、世界中の海7つの海全て冒険した男!」


それでも分からないのか、首を傾げているアラジン。シンドバッドの説明で、すごいとはわかっているようだが、イマイチ理解できていないようだ。


「……本題に入るか。君に【霧の団】を捕まえるのを手伝って欲しいんだ」

「なっ、こんな子供たちに!?」

「マギは関係ないだろう。それに、璃里も子供だ。第一……金属器を盗まれてしまったからなあ」

「あんたのせいだろうが!!」


ズバり突っ込むジャーファルに、気にしないシンドバッド。


「実はモルさんは暗黒大陸に行きたいんだ。でも……今は船がないらしくて」

「【霧の団】の影響ですか…」

「もし【霧の団】の討伐に手伝ってくれたなら、暗黒大陸行きの出航約束しよう」

「ほんと!?よかったね、モルさん!」

「よし、そうと決まれば作戦を練ろう。じゃあモルジアナちゃんはホテルで休んでいて」

「えっ…」


ぐいぐいモルジアナの肩を押していくシンドバッドだが、彼女の表情の変化に気づかなかった。

突然ガンッ!と大きな音が聞こえた。モルジアナが足で硬い地面を砕いたのだ。


「私も戦います…!」

「は…はい」

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