はちかけ! | ナノ



「……ワタシの顔に何か付いていますか?」

「顔色が悪い」

「そうですか?」


ぺたぺた自分の顔を触る璃里。マスルールはじっと彼を凝視し、首を縦に振った。


「大丈夫です!ワタシは強いですから」

「…………」

「あの……信じてないんですか?」

「隠すからな」


バレているようだ。確かに貧血で立ち眩みがあるし、前日の疲れがなかなか取れない。

風邪をひいたのだろうか。心配そうなマスルールに「大丈夫ですよ」と笑って見せた。


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「うわー!!」

「エンメラル鯛のバター焼きだ!」


豪華な料理に目を輝かせるアラジンとモルジアナ。璃里は食欲がわかず、ジャーファルと同じ紅茶を飲んでいた。


「そういえば、部下の紹介がまだだったな。こっちがジャーファルで、あっちがモルジアナと同じファナリスのマスルール」

「こんにちは!」

「は……はじめまして」

「……ども」

自分と同じファナリスがいると知り、緊張しながらモルジアナは挨拶をした。二人のぎこちない雰囲気に、璃里は笑みをこぼした。


「笑うな」

「痛いたいたい!!マスルールさん痛いです!」

「ふふ、二人とも何だか兄弟みたいだね!」

「……そう、ですね」

「あ!僕も友達を紹介するよ」


そう言っておもむろに笛を取り出すアラジン。ふーっと息を吹き込めば、むくむくと大きな青い腕が出てきた。


「ぶふーーーっ!!!」

「うわぁ!」


久しぶりに見ると迫力がすごいな。ジャーファルの驚きように、璃里も最初は同じだったなあと思い出していた。

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