7 「……ワタシの顔に何か付いていますか?」 「顔色が悪い」 「そうですか?」 ぺたぺた自分の顔を触る璃里。マスルールはじっと彼を凝視し、首を縦に振った。 「大丈夫です!ワタシは強いですから」 「…………」 「あの……信じてないんですか?」 「隠すからな」 バレているようだ。確かに貧血で立ち眩みがあるし、前日の疲れがなかなか取れない。 風邪をひいたのだろうか。心配そうなマスルールに「大丈夫ですよ」と笑って見せた。 888 「うわー!!」 「エンメラル鯛のバター焼きだ!」 豪華な料理に目を輝かせるアラジンとモルジアナ。璃里は食欲がわかず、ジャーファルと同じ紅茶を飲んでいた。 「そういえば、部下の紹介がまだだったな。こっちがジャーファルで、あっちがモルジアナと同じファナリスのマスルール」 「こんにちは!」 「は……はじめまして」 「……ども」 自分と同じファナリスがいると知り、緊張しながらモルジアナは挨拶をした。二人のぎこちない雰囲気に、璃里は笑みをこぼした。 「笑うな」 「痛いたいたい!!マスルールさん痛いです!」 「ふふ、二人とも何だか兄弟みたいだね!」 「……そう、ですね」 「あ!僕も友達を紹介するよ」 そう言っておもむろに笛を取り出すアラジン。ふーっと息を吹き込めば、むくむくと大きな青い腕が出てきた。 「ぶふーーーっ!!!」 「うわぁ!」 久しぶりに見ると迫力がすごいな。ジャーファルの驚きように、璃里も最初は同じだったなあと思い出していた。 prev / next |