はちかけ! | ナノ


19

光輝く八芒星に座る三人。アラジンとアリババは、冒険が終わってしまったと話していた。璃里はモルジアナの安否を気にかけていた。


「そういえば、おねいさんの名前聞いてなかったね」

「えっ、名前か?ワタシは璃里だ。あと、お姉さんじゃない。お兄さん、だよ」

「「……は?」」

「うううう嘘だ!!こんな綺麗な顔でおにいさん!?」

「えっ、はっ!?マジで!?」


大げさに驚きすぎだろと呆れる璃里に、アラジンは「確かにおっぱいが小さいなって思っていたんだ」と言った。


「うん、もう慣れているよ。それに、キミ達には助けられた恩もある」

「ええっ!?でも、おね…じゃなくて、おにいさんにも、助けられたよ!」

「ああ。俺と一騎討ちになった時、全力じゃなかった。ちょっと、自分の無力さに苛立ったけどさ」


ニコニコ笑いながら話す二人に、璃里はすごい人たちに出会えたと思った。温かい気持ちになると同時に、物凄い眠気に襲われた。

璃里はふわりと宝物に寄りかかる様に眠った。その様子を見ながら、アラジンとアリババは話を続けた。


「あのモルジアナって子と、璃里と一緒に冒険したいな」

「うん!僕、もっと知りたい。アリババ君とモルジアナさんと璃里君のこと!」

「だな。また色んな迷宮を攻略して、冒険しよう」

「約束だよ?」

「おう!」


彼らの間で交わされた約束。後に、この約束が守られないことをアラジンは知る。

prev / next

bookmark
[ back to top ]





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -