はちかけ! | ナノ


15

「ん…?ここは?あれ、おねいさんたち……」

「起きたんだね」


辺りをキョロキョロ見回すアラジンに微笑む璃里。正直なところ、年下は苦手だがアラジンは何故か、あまり苦手じゃなかった。


「アリババ君は?僕の友達のアリババ君はどこだい?」

「あなたのご友人は…っ!」

「死んだよ。さっきのトラップにハマってしまってね……」

「アリババ君が…?」


辛そうな顔をするモルジアナと璃里。アラジンはなんとなく上に目を遣った。二人が死んだと言っているアリババは、少々汚れているが、ひらひら手を振っている。


「アラジン!!今助けてやるからな!!」

「えっ!?生きてたのか!!」

「えっ……」


驚く二人を置いて、アラジンは頭に巻いていたターバンを広げる。ふわりと空中に浮き、アリババの元へ行く。

タイミング悪く、ジャミルがそこへやって来てしまった。最悪なパターンだな、これは。璃里の額に冷や汗が浮かぶ。


「何をぼーっとしている!追え、モルジアナ、璃里!」

「「はい!」」


無茶苦茶な命令だ。モルジアナは強力な筋肉で、壁を駆け上る。璃里は出したくない妖刀を出して、人並み外れた能力を引き出し、モルジアナの様に追う。


「素晴らしい…!やはり璃里を奴隷にしてよかったな」


ジャミルはほくそ笑み、自分も彼らに追い付こうと歩み出した。

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テーマ「人外ファンタジー」
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