ノンストップボーイズ
※小話の『ノンストップイモーション』設定の続き的なもの
そろそろ帰ろうと思い、更衣室に行く道を恐らく先輩に阻まれていた。え、なに?俺なんかしたか?
「……退いてもらえませんか」
「名前は?」
「………名字、名前ですけど…」
「ああ、お前が名前か。俺は松岡凛だ」
突然、話しかけてきた松岡先輩は、俺と同中だった渚を知っているらしい。ものすごくどうでもいいことなんだけど、松岡先輩の歯、すごいな。
「でも、まあ鮫柄に来て正解だったな」
「どういうことですか、それ」
「お前のレベルならここと合ってるだろ。渚と一緒に居たって、タイムが良くなるわけじゃねえし、いって!何、して……!」
「先輩、あんまり俺を怒らせないでください。俺、意外と仲間想いで、こういうの許せないんです」
松岡先輩の手首を掴まえて壁に張りつける。怒りと困惑が混じった先輩の目に、楽しそうに笑う俺が映っていた。うわ、悪い顔だ。
「っ、悪かったな。もう……離せよ」
「やです」
「てめえふざけんなよ!はな、せっ…!」
「ちょうど渚が居なくて退屈していたんです」
だから先輩、遊びませんか?
松岡先輩の悲鳴が上がるまであと三十秒――。
ノンストップボーイズ
―止まることを知らない僕ら
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