!とある朝の日常風景、なのか…?
「はー……疲れた」
「栄司ドンマーイ」
「高尾のせいだバカ!」
朝っぱらから賑やかすぎんだよ。あー疲れた。自分のクラスに入り、席に着こうとすると高尾に腕を引っ張られた。
「へ?なに?ちょっ!」
「真ちゃーん、こいつこいつ」
「なんなのだよ……」
連れて来られたところは、クラスで一番高いだろう緑間君の席。くいっと眼鏡を上げる姿が様になっている。
「いやいやそうじゃなくて、なにこれ?」
「俺とコンビ組んでる相方の紹介」
「まだ俺は組むと言ってないのだよ!」
「おい嘘ついちゃ駄目だろ」
「うえっ!?俺たち……めっちゃ身体の相性よかったじゃん」
「変なことを言うな高尾!!」
ガタン!と立ち上がった緑間君にビビる僕。10センチ近く違うとこんなに圧迫感があるのか……。
「で、こっちが俺の幼なじみ」
「あ、えっと、田中栄司です。よろしく、緑間君」
「何故俺の名前を?」
「こんなに背が高きゃ、嫌でも目につくって!高尾より高いから見つけやすいわ」
「んだよその言い草!」
「なんだよ。事実じゃねーかチビ高尾」
「数センチしか変わんないだろ!?」
「ぷっ」
俺たちのやり取りを見ていた緑間君が笑った。すぐに反応した高尾が「笑ってんじゃねーよ真ちゃん!」とくすぐり始めた。
「や、やめるのだよ高尾!!」
「やだねー!おい、栄司も手伝えって」
「こーちょこちょこちょ!」
堪えきれなくなった緑間君が声を上げて笑う。気難しそうな顔してたけど、なんだ、笑えるじゃん。
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