!PM12:54
「でさー、緑間ん家のお泊まり会いつする?」
「今でしょ!!」
「……高尾寒い」
「おい、何を勝手に俺の家ですると決めているのだよ!!」
すると、田中はきょとんとした顔になって、「え?さっき言ったよ」とさも当然に言った。嫌な予感ほど当たるものだな。
「えーでも、緑間オッケーしてくれたじゃん…?勉強会の件」
「それは了承した。だが、俺の家に泊まるのは許可してないのだよ!」
「でも、高尾ん家は妹ちゃんがいるし…僕ん家はちょっと難しい」
そんなの知ったことか。しかしながら、田中の申し訳なさそうな顔を見ていると、手を差し伸べたい気持ちになる。
自分の訳が分からない感情に嘆息しながら、親に聞いておくと言った。すると途端に田中は顔を明るくさせ、何故か拝んできた。気持ち悪いのだよ。
「うおーっ!ありがてえ緑間様ー!!感謝します!」
「一体なんなのだよ……!」
「ぶはっ、栄司荒ぶりすぎ!」
「テメー高尾も拝め!崇拝しやがれ!」
田中に言われるまま、高尾は念仏を唱え始めた。……俺を殺したいのか。俺の心中を察した田中は「違うだろ」と高尾の頭を軽く叩いた。
「正しくは、エース様に感謝し降伏いたしまする〜だ」
「そうか!」
「そうかじゃないのだよ!」
こいつらと一晩過ごすことを想像したら、全く眠れないような気がした。
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