幼なじみ | ナノ

!気持ち

翌日。俺はあの後の記憶を覚えていない。そのまま寝ちまったんだろう。曖昧なままに、俺は栄司と顔を合わせた。

今日は早起きして、栄司には起こしてもらわなかったから、自転車置き場で会った。


「高尾!」

「はよ」

「おはよ。もう風邪治ったんだな」

「栄司の看病で完治しましたー」


そう言うと栄司はちょっと恥ずかしそうに笑った。


「まあな」

「あ、真ちゃんの見舞いメール見る?めっちゃ傑作なんだけど」

「見る見る!」


栄司はきっと覚えていないだろう。昨日の、あの言葉を。


「ぶはっ!緑間やべー」


それでも、いい。ずっと栄司の幼なじみで、ちょっとウザい感じの親友っていうポジションにいられるなら。


「高尾?」

「ん?どうした?」

「……なんか悩んでるなら、相談しろよ?」

「あー栄司クンに解決できるかよ?」


できないだろ。

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