幼なじみ | ナノ

!いっしょに食べていい?

保健室の先生に診てもらって、幸い打撲程度だった。原因を聞かれたが、転んだと見え見えの嘘を吐いた(考えていなかったから!)。

傷はほとんど腹に集中しているし、顔は少し頬が腫れただけだから……。うん、大丈夫!


「栄司!どこ行ってたんだよ?」

「ごめん、ちょっとな」

「……まーいいけど。もう昼飯食った?」

「食べてない、死にそう」

「俺も。どっかで食おうぜ」


よかった。高尾にバレていない……はず。こいつ、鋭いからなあ。

フランクフルトやたこ焼き、よくある屋台の定番商品を買っていった。近くにあった四人掛けの席に着き、早速戦利品を頬張る。


「うまい!生き返るなー」

「栄司のたこ焼き頂き!」

「あっ、高尾!ぐ……お前のポテト頂き!」


しょうもないやり取りをしていたら、山田さんがこちらにやって来た。高尾!チャンスだぞ!


「あの…いっしょに食べていい?友達とはぐれちゃって」

「いいよな?高尾」

「どうぞ、どうぞ」


山田さんは高尾の隣ではなく僕の隣に座ってしまった!なんという不覚…。こっそり高尾を見ると、難しい顔をしていた。


「高尾?どうかした?」

「ん?ああ、いや何でもない」

「おー…そっか」

「……………………」


んー気まずい。山田さんはにこにこだし、なんか……話すこと…。


「あ!そういえば喫茶店どうなった?」

「特に何もないよ」

「よかった…」

「………………」

「………………」

「………………」


なんでこの三人だとこんなに静かなんだ…?

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