幼なじみ | ナノ

!あんまり怒んなって

まあ一難去っても、また一難やってくるわけで。

僕、絶賛カツアゲなうです。ちなみにカツアゲされています。そしてトラウマが再発しています。

チラシ配りをした後、見知らぬ三人に呼ばれて、ホイホイ体育館裏についていったのが原因だ。

ちなみに相手はチャラそうな他校の生徒三人。茶髪だが、チビとデブと不細工の三拍子だ!ちなみに三人とも、僕が言うのもアレだけど、不細工だ!


「早く金を出せよ?な?」

「あの…僕、持っていません」

「んなの、店の売上からスってこいよ〜バカか!」

「ぶひゃひゃひゃ!早く出さなきゃ、このキレーな顔が傷ついちゃうよぉ、僕ぅ?」


ぺしぺしと叩いてくるデブの手が臭い。あと、小6の時のフラッシュバックで足が震えてる。じめじめした6月なのに、指先が冷たい。

ここで背負い投げしたら、問題になるし、恨みを買うし……うーん、どうしたものかと悩んでいたら、不細工にシャツの襟首を掴まれた。


「いいから早く出せよ?俺たちゃ気が長くねえんだよ…」

「うっひゃあ〜あんまり怒んなってタクぅ〜」

「そーそー。バスケと勉強しかできない高校になぁ!」

「どうせ、バスケのインターハイで誠凛に負けたのも、努力してねえからだろ?」


プツンと何かが切れた。もう、問題とか恨みとか、どうでもいい。震える足で地面を踏みしめ、伏せていた顔を上げた。


「……ふざけんなよ。あいつらがどれだけ努力してきたか知らねえくせに、知ったような口を叩くんじゃねえ!!」


思いっきり目の前にいたデブの顔へ拳を叩き込んだ。効果は少しよろけたぐらいで、逆に火を着けてしまった様だ。


「……いてえじゃねえか、よっ!!」

「ぐっ!」


どかっと脇腹にデブの足が当たった。耐えきれず、口から酸素が吐き出された。

よろめく僕に、容赦なく次の攻撃が来る。右頬にチビのゴツい拳が入り、地面に寝かされた。え、これ、ちょっとヤバい。

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