幼なじみ | ナノ

!一緒くたにされたくない

裏から出たところで、わんこ高尾に遭遇した。あれ?お前狼男じゃなかった?


「高尾……なに、その犬耳」

「よくわかんねーけど、他クラスに拉致られて、ビラ配りの手伝いさせられたんだよ」

「……お疲れ」

「ってかなに!?真ちゃんのメガネおかしいし、栄司は猫耳付けてるし…あんなに嫌がってたのに」


高尾が手を伸ばしてくるから叩いてやった。うむ、ストレス解消。高尾はムッと頬を膨らませてるけど。


「緑間はメガネを壊して、僕は付けなきゃいけなくなったんだよ」

「へー。てか、別に少しくらい触らせてくれたっていいじゃん!減るもんじゃねーし」

「触んな!何か減る!緑間助けて!!」

「真ちゃんは触りたくねーの?」


高尾が緑間にそう投げ掛けると、緑間は「お前みたいな変態と一緒くたにされたくないのだよ」とバッサリ切ってくれた。わあ、安定の緑間。

ここで僕の助けの女神が現れる。名前は知らない女子が、扉から顔を覗かせて口を開いた。


「高尾くーん!緑間くーん!接客お願ーい!!」

「呼ばれてるぞ、高尾君?」

「チッ!覚えてろ栄司!!」

「はいはい」


グイグイ引っ張られる高尾に呆れたように返事をしておいた。まったく、面倒だな。

再びチラシ配りに出かけよう。山田さんは休憩中だけど、暇だから昼飯を買うついでに行くか。

チラシの束を掴み、意気揚々と外に出た。

(39/52)

戻る

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -