!そこの猫耳
秀徳の文化祭は二日間行われる。僕達のクラスは、接客する人、裏で軽食やデザートを作る人に分かれた。
緑間はイケメンだから表、高尾は人当たりがいいから表。で、僕と山田さんはチラシ配り。
「お化け喫茶、いかがですかー?」
「なんで僕も仮装を…」
「栄司君似合ってるよ!あたしは…どうかな?」
「似合ってるよ。可愛い」
そう言ったら山田さんは、配るチラシで顔を隠してしまった。え?僕なんか変なこと言った?
ちなみに僕はチェシャ猫、山田さんは魔女っこ。大変愛らしい。緑間はミイラ男じゃなくて吸血鬼。高尾は狼男だったかなあ。
「猫耳まで着けなきゃいけないってなあ…」
「おい、そこの猫耳」
「は、はい!」
ため息を吐いてたら、茶髪の先輩に声をかけられた。目付きが怖い。あと横にいる坊主の先輩も怖い。
「緑間が仮装してるクラスだよな?」
「そうです」
「ん、そのチラシくれ」
「どうぞ」
二人の先輩が去った後、僕はまたため息を吐いた。反対側にいた山田さんが帰ってきて、目を輝かせていた。
「さっきの人って、宮地先輩じゃない!?」
「宮地先輩?」
「バスケ部のね。結構女子の間で人気なんだよ〜」
「へえ」
バスケ部の宮地先輩か。緑間を捜しているってことは、多分からかいに行くんだな。
もう少し、頑張りますか。
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