幼なじみ | ナノ

!楽しいもん

僕達、文化祭実行委員は、放課後にある委員会に出る羽目になった。

早く竹刀を持ちたいのに…。疼く気持ちを抑え、山田さんと一緒にその会場まで向かった。


「なんか、田中君と二人っきりってなかなか無いよね」

「そうだね。いつもは話さないし」

「だよねー。あたし、いつもマネージャーの仕事ばっかりだし、眺めるだけだったけど…チャンスね」

「ん?何か言った?」


首を傾げると山田さんは何でもないと笑って答えた。まあ確かに井熊の言う通り、笑うと更に可愛くなるな。


「栄司君」

「うん?」

「文化祭、成功させようね!」

「そうだね」


僕的には楽しければいいんだけど。張り切っている山田さんを萎えさせるのも、アレだよね。

彼女はザ・女子って感じで、目から炎を出さんばかりに意気込んでいた。

……僕も、目から炎を出した方がいいのかな…?




会議は約一時間で終わった。他のクラスは演劇やダンス、催し物をするみたいだ。

そんな中で僕達の『お化け屋敷喫茶』は一際目立っていた。うーん…何気ない一言がこうなってしまうとは。


「あ、そういえばさ」

「何?」

「僕と組んでよかった?実行委員の」


ずっと気になっていたことを聞いてみたら、山田さんは目を丸くして、笑った。


「よかったよ!栄司君と話せるし、楽しいもん」

「……そっか」

「あれ?栄司君、照れてる?」

「照れてないよ」


どこのバカップルかと思われるくらい、僕と山田さんの距離は急接近していた。

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