幼なじみ | ナノ

!実行委員、よろしく

緑間にキス…?されてから2週間。それから何もない。

平然とした態度で挨拶を返してきたし、むしろ気にしているのは僕だけなのだろうか。

無論このことは高尾に言っていない。いくら幼なじみで隣近所に住んでいても、話せる物のゾーンが決まっているのだ。

僕も「男とキスしちゃった」なんて相談されたら、何を言えばいいか分からないし。


「そんで、今から文化祭の実行委員を決めるから――あ、田中暇そうだな」


突然ホームルーム委員の奴に当てられ、一気に思考が現実に戻ってきた。


「は!?暇そうって、ええ?」

「ぼんやりしてるオメーが悪い。あと一人は…山田な」

「ええ!?私?」


ちなみに山田さんとは、剣道部の女子マネージャーである。井熊が「山田って可愛いよな〜」と鼻の下を伸ばすほどの人、みたいだ。僕にはよく分からないけど。

周りはヒューヒューと囃し立て、かなり居心地が悪い。高尾に助けを求めるように視線を向ければ、ふいっと逸らされてしまった。あれ?


「じゃ、田中と山田、よろしくな!バトンタッチで」


ホームルーム委員の奴と入れ替わり壇上に上がる。なかなか緊張するな。


「えーっと、文化祭で何かしたい人は挙手して」

「あたしは黒板に書いていくね」


意外と山田さんは適応力が高い。とりあえずみんなにやりたいことを上げさせて、実行可能で予算があまりかからないものを選ぼう。

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