!とある幼なじみのぐだぐだ日誌
高尾が緑間のラッキーアイテム……ウサギがついたかなりラブリーなシャーペンを持ち、誌面を覗き込んできた。
「ぶはっ!やっぱ緑間サイコー。こんなこと書けねえって、普通」
「うーん……僕もおは朝信者だったらなあ…」
「いやそういう問題じゃねーだろ。何かねえの?」
僕の前の席の椅子にどかっと座る高尾。頬杖しながら僕にそう聞いてきたけど、思いつくことが、
「あ、高尾に体育服持って来るの忘れてた」
「それだ!って、早く持って来いよ?今日中にな」
「でも今日帰るの遅いよ?いいの?」
「いいって。忘れないうちに渡して貰わなきゃ困るし」
「まあそうだけど……」
僕がしぶしぶ約束すると高尾はニッコリと笑って、僕の髪をぐしゃぐしゃにかき回した。畜生、僕が椅子に座ってるから手を出せないのを狙って!
「んじゃ、頑張れよ」
「はいはい、高尾もね」
ひらひら手を振る高尾に返しておく。さて、シャーペンを持って気を取り直――
「田中!高尾を見なかったか!?」
バタバタ走ってきた人物は緑間だった。よほど急いでいたのか珍しく息と髪を乱している。僕はシャーペンを置いて席を立ち、緑間に近づいた。
「え?緑間のシャーペンを持っていったけど?」
「なに?すれ違いだったのか……!」
「あーそうみたいだな」
「とりあえず、少し休みを、っ!?」
「うわああ!?」
緑間が自分の右足に躓いてこちらに倒れ込んできた。今どきのどじっ子でもそんなドジはしないぞ。僕は緑間に潰されそうになりながらそう考えていた。
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