幼なじみ | ナノ

!とある会員の観察(妄想)日記

ある日の放課後。いつも会合をしている空き教室に向かう途中、マル秘ノートをうっかり机の上に置き忘れていたことに気付いた。

説明しましょう。マル秘ノートとは、高尾君と田中君の絡みを妄想、メモしたアッーなノートだ。

先ほどの絡みもそのノートに記されているってわけだ。これはヤバい。ヤバい!


「ええええ!?ど、どうしよう…!」


早く取りにいかなきゃ。とにかく私は神速で教室に走り出した。

教室の前に来たら、高尾君が居るのを確認した。あれ、忘れ物でもしたのかな?

嫌な予感とかイメージとかが浮かび上がって、口がカラカラに乾く。冷たい汗が背中に浮いて気持ち悪い。


「た、高尾君…?な、な何してるの?」

「あー、教室に忘れ物しててさ」


なんだ、やっぱり違うじゃない。ほっと胸を撫で下ろしたその時だった。


「これさ、どういうこと?」

「っ!な、んで……」

「俺と栄司が…ね」


彼の手には、私のマル秘ノートがあった。目の前が真っ暗になるというのは、こういうことか。


「……あの…それは、」
「俺が受けなわけないだろ!?」

「は?」


何言ってんだコイツ…?初めて高尾君をそう思いました。高尾君はバシバシとノートを机に叩き、田中君の可愛さを数十分にも渡り語り続けた。


「とにかく!今度からは俺が攻めね。あと、書いたら読ませてよ」

「は、はい!」

「まあ、…………じゃなくてよかった」

「え?何か言った?」

「んーん、何でもない。て、うわ、もうこんな時間かよ!?やっべー、宮地さんにドヤされるっ…!じゃあね!」

「う、うん…」


嵐のように去っていった高尾君。もう会合は終わっているだろう。

疲れきった私が高尾君の「栄司が好きじゃなくてよかった」っていう呟きは聞き取れなかった。

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