幼なじみ | ナノ

!とある会長の観察(妄想)記録

私は田中栄司君のファンクラブの会長。彼のことが中学生から好きで、好きで、同じ高校に入学してしまった。

現在、田中君ファンクラブの会員数は、軽く50は突破している。

ただ、私が一番好きなのは――


「栄司!一口、あーん」

「ほら、あーん」

「んぐぐぐ!?ひゅふひふっこふな!!(急に突っ込むな!!)」

「手が滑ったんだよ」

「嘘だ!!」


そう、田中君×高尾君のカップリング!!!

他の会員にはこの趣味は秘密だ。みんなは純粋に田中君を愛している。

こんな邪な目で見てるって知られたら……会長として、ヤバい。


「ふふ、今日も田中君は可愛かったですわね」

「ええ!あの愛らしい笑顔がまた母性をくすぐるのです…!」

「会長はいかがですか?」

「えっ、私ですか?」

「はい!今日の田中君ですわ」

「そうですね……」


今日のサドスティックスマイルも、うつくしゅうございました。なんて口が裂けても言えない!!


「え、ええ……あの緑間君と並ぶと更に可愛く見えますわ」

「うふふ、私もそう思いましたの」


あはははと乾いた笑いしか出てこない。私、ちょっと辛い。本当のことが言えなくて、伝えられなくて。

(23/52)

戻る

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -