!の
「もちろん撮るのだよ。今日のラッキーアイテムはプリクラだ。それも今日しかダメらしい」
「……マジかよ」
「まあまあ、楽しそうだから撮ろうぜ。あ、プリクラって400円だっけ?」
こんなでかくてむさい奴らと、何が悲しくてプリクラを撮らなきゃいけないんだ……。
そう緑間君に訴えたら「いつ、どんな時でも人事を尽くさねばならないのだよ」と言われた。んなの知らねえよ!!!
高尾もお調子者だからノリノリで「真ちゃん入るかなあ〜?」とか「そんなしょんぼりすんなって栄司」とか、別にしょんぼりしてねえし!!
「……マジかよ」
「あ、200円どうする?」
「じゃんけんでいいだろう」
「じゃんけんは真ちゃんの一人勝ちじゃーん」
「よくわかんねーけどさっさと撮るぞ」
面倒くさいので200円入れた。すると高尾が「さっすが栄司!」腰に抱きつくな変態。
高尾がまた調子に乗り、美白モードやら茶髪やら色々やらかしてくれた。
「ちょっとちょっと!真ちゃん白すぎ!やべえ!」
「笑いすぎなのだよ高尾!田中の顔の白さっ…ふっ」
「可哀想な目で見んな緑間ぁ!高尾も笑ってんじゃねえ!」
これは酷い。3人は元から白いのに、美白モードやらなんやらではちゃめちゃだ……。僕めっちゃチャラ男じゃん…。
「おーい、落書きするぞー落書きー」
「まだあんのぉ?僕ゲームやりたいんだけど……」
「後もう少しなのだよ」
「さりげなくホールドすんな緑間!!」
もういい。緑間君なんて呼ばねえ。さっきもしてた気がするけど……呼び捨てにしてやるから!
「な、なんじゃこりゃあ……」
僕も一応落書きをしていたのだが、高尾がひどい。緑間は「飲み物を買ってくる」と、どこまでもゴーイングマイウェイ。
ようやく印刷されたプリクラを見て、僕が発言した言葉だ。
「どこが?」
「どこが、じゃねーよ!なんだよ、真ちゃんラブって!てめえら2人でバカップルやっとけ!」
「そっか……栄司、寂しかったんだな」
「寂しくないから!」
(10/52)