幼なじみ | ナノ

!とある放課後の帰り道

今日も頑張ったと自画自賛。先輩方に挨拶して鞄を掛け直す。


「まだ、終わってねえかな…?」


ちらりとバスケ部が使用している体育館を覗き込む。あ、居たけど……二人っきりか。声をかけたいけど、真剣な雰囲気が伝わってきて躊躇してしまう。


「あれ?栄司じゃん」

「お、おう、高尾。もう終わった?」

「んーうちのエース様がまだしたいらしくてな」

「その呼び方は止めろ。すまないな、田中」


高尾を睨み付け、こちらを向く緑間君。僕は手を横に振りながら答えた。


「いや構わないって。じゃ、先に帰ってる」
「あ!栄司待ってて!一緒に帰ろーぜ」


「自転車取りに行ってくる」と高尾に言って歩き出した。気づいたら頬が緩んでてちょっと心が温かくなっていた。


自転車小屋に着き、鍵を取り出し解除!田中栄司、いっきまーす!カラカラと自転車を押しながら歩いていく。


「くぁ…眠たい」


校則に厳しいせいか、練習も厳しい。だからこそ、バスケ部と同じくらい強いんじゃないかなー。

まぁ高尾の誘いに乗っただけだから、あんま考えてないけど。これを言ったら、高尾が調子に乗りそうだから言わないけど。

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