回れ回れ、世界よ回れ
設定は廃校らしく廊下を歩いて進み、校長室で校長のカツラを持って帰還するという変わったお化け屋敷だった。
ちなみに先を渚と遙、後ろを俺と真琴が歩いているんだけど……この真琴がめちゃくちゃ震えてる。え、もしかして怖い…?
「真琴、怖いのか?」
「っ!そ、んなことないよ……大丈夫、うん」
「マコちゃんゆずこちゃんおいてくよー!」
「あっ、待てよ渚!!真琴、手繋ごうぜ」
「柚子!?そんな、恥ずかしいよ……!」
暗闇でも分かるくらい赤面する真琴の手を強引に握って、渚たちの元へ走る。途中、手が壁から一斉に出てきたのはビビった。
真琴の恐怖心は薄まったのか、ちょっと八の字眉毛がゆるくなっている。可愛い奴め。
まあ油断しているときに襲いかかるのがお化け屋敷なわけで。真琴の背後にゆらりと誰かが立っていた。
「うわああああ!?」
「うっせーな……!あ…?柚子か?」
「凛!なんでいるんだよここに」
「居ちゃわりいか。似鳥と入ったんだけど、アイツすげえ速さで逃げて行って」
「置いていかれたのか、凛」
「っ!ハル達も一緒かよ」
「おい、真琴!?しっかりしろー!凛のせいで失神しちゃったじゃねぇか!!」
心外だと言わんばかりに凛が俺の頬をつねってきた。いてえよバカ!
「とりあえず……脱出しない?」
「「「……賛成」」」