告白された2
来る昼休み、俺は指定された空き教室にいた。待ってるのが疲れたから、適当な椅子に座る。
あ、そういえば椅子に座るだけで寿命が20秒くらい下がるらしい。微妙すぎて真琴がリアクションをとるのに困ってたな。
「あ、鯨木君…!」
「えっと…手紙出したの、お前?」
「そうだよ。本当に来てくれたんだ…」
「そりゃあ差出人が気になるしな」
差出人は俺の席の隣にいる女子だった。うん、結構可愛いし真面目な奴。
「それで……話って何?」
「実は……その、橘君にこれを渡して!!」
「……………………は?」
俺が貰った手紙より、めちゃくちゃ気合いがこもっている手紙を突き出された。……ああ、なるほどな!つまり俺が真琴と仲良しだから渡せと!
「……無理」
「えっ!?ど、どうして……」
「俺だったら、直接渡して欲しい。他人を通して渡すやり方はさ、ずりいっていうか気持ちが伝わらねえよ?だから…真琴が好きなら、俺に頼まないで欲しい」
はー…久しぶりに長く喋った。言い過ぎたかもしれないと思い、ちらりと見たらすんげー震えてた。やべえ……マジで言い過ぎた?
「ごめ、言い過ぎた……!」「鯨木君……!私、間違ってた!ありがとう!早速渡してくるね」
「えっ!?あ、ああ」
彼女が去った後、物陰から真琴と遙が出てきた。……見てたのかよ、マジで。
「はは、柚子すごくかっこよかったよ?」
「るせー…絶対楽しんでるだろ!」
「……ドンマイ」
「なんだよ遙!!言いたいことがあれば……」
ぽん、と遙の手が頭に乗せられて、そのまま強い力で上から押さえつけられた。
「てめえふざけんなよ!!縮ませようとしてんじゃねえよ!」
「違うよ柚子、慰めようと遙なりの…気配り?」
「それでいい」
「おいそれとか言ってるぞ」
(鯨木君…かっこいいな)
(くしゅっ!あーやべくしゃみ出た)
(風邪?大丈夫?)
(柚子は馬鹿だから風邪はひかない)
(てめえ遙ァ…表出ろ!!)