回れ回れ、世界よ回れ
今日は何故か岩鳶水泳部と一緒に遊園地に来たぜー!パチパチ……で、なんで怜はいないんだ!!
「怜は陸上の記録会だってさ」
「あーそっか。残念だな」
「仕方ないよ。だって一応陸上部だし?」
「一応って。ハル、忘れ物ない?ちゃんと財布持った?」
「持った。真琴うるさい」
「ぶは、真琴…遙の母ちゃんみてえ……!」
腹を抱えて笑っていると、しかめっ面になった遙が睨んできた。はいはい、ごめんなハルちゃんよ。
「今日くらい仲良くしなよ?」
「あいあい。ほらハルちゃん、お手をどうぞ?」
「いらない」
「いらないってなんだよ、いらないって!」
「あはは!柚子ちゃん不憫ー!」
ぎゃんぎゃん喚く俺を素通りしていく遙。相変わらずつめてーな、おい。で、渚は笑いすぎだ。
「ほら、柚子」
「……ジェットコースターで遙を泣かせる」
「ふっ、できるものならな」
「ちぃぃいいい!!」
絶対、絶対泣かせてやる……!
「あー楽しかった!」
「まあまあだな」
「なんだかんだでマコちゃん乗れたね!」
「そうだな。あ、そういえばここだけ回ってなかった」
乗ってない乗り物が無いようにちゃんとマップにチェックする俺!デキる男は違うんだぜ、遙…?
ちらっと見たら、興味がないようにぼんやりと景色を眺めていた。……多分、プール入りたいって思っているんだろうな。チッ。
「あれ、まだ残ってた?」
「なになにー?」
「お化け屋敷。すっかり忘れてたな。ま、ここ回って観覧車に乗って帰るか」
「えっ、い、行くの!?」
どうした真琴、顔が真っ青になってるけど。頭に?を浮かべる俺に対して、渚はにやにや笑って、遙は呆れた顔をしている。……なんだこいつら。