つきのしずく 

ブルームーン
ひと月に二度満月が観られること


「なあ、青峰。今日は何の日でしょーか!」

「んなもん決まってんだろ。俺の日だ」

「は? ……青峰の日?」

「おう……ってお前忘れてたな!?俺の誕生日!!」


ガタッとベッドから立ち上がる青峰。俺は「そうだっけなー」と気まずく目線をそらす。


「お前はマメだから覚えてると思ってたのによー…」


青峰は肩を落とした。だからコイツそわそわしてたのか。なるほど。


「いや……今日はブルームーンなんだよ」

「ブルームーン…?なんだそれ」

「1ヶ月のうちに満月が二回観られんの。そんで今日がその二回目」

「ふーん……どうでもいい」


やはり興味を示さないか……逆に興味津々だと気持ち悪いか。「それより」と青峰が口を開く。


「俺へのプレゼントは?」

「……明日じゃダメかな?青峰君」
「ダメだ、今すぐ」

「どこの赤司様だよ……」


どうしよう……今持っているのはケータイ、飴玉、カギ…。飴玉以外は無理だな、うんうん。


「あ、じゃあ飴ちゃんあげる」

「はあ?飴ぇ?」


良いことを思いついた俺は「うん!」とにやにや笑いながら頷く。怪訝そうな目でこっち見んな。興奮するだろ。


「ってお前が食べて……ん…!」


青峰にちゅーした。おいおい、目ぇ瞑れよ。舐めたくなるだろ。なんて思いながら青峰の方に飴玉をやって、舌をれろーと絡ませる。


「ハッピーバースデー、大輝」

「はっ……死ね」


上目遣いで言われても可愛いだけなのに。ぺろんと青峰の目尻に浮かぶ滴を舐めた。Happy Birthday Aomine!!


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