短編 | ナノ


君の青い瞳に僕は映っていますか

帝人は嫉妬深い。今だってほら、オレの首をぎりぎり絞めて、泣きそうな顔。可愛い、可愛い、帝人くん。

ていうか、帝人が悪いんだ。クリスマスなのにずーっとPCとにらめっこ。ふざけんなよ。だからオレは、


「臨也さんとこか、静雄さん家に行こっかな」


なーんて言ったら、いきなり首根っこを掴まれて、テーブルに押し倒されて、首をギュッ。


「僕がいるのに、どうして臨也さんや静雄さんのところへ行くの?」

「はっ、みか、が、悪い…んだよ…!ずっと、パソコン、ばっか…!」

「……ごめん。僕…怖いんだ」

「けっほ、けほ、けほ…!怖い?何が」


答えは分かりきっている。でも、ここは帝人の答えを聞かなきゃ。何でも分かっていたら、臨也さんみたいになっちゃうもん。


「誰かが離れるのが怖い。名前が離れるのも、正臣が離れたのも怖かった…!」

「そ、うか」


答えが違う、違う、違う!!!なんでだよ、帝人はオレに依存してて、それで…紀田が、


「帝人、オレのことを見てる?」

「えっ?見てるよ?なに、いきなり」

「いや、何でもない」


オレの恋人は、オレに紀田を重ねている。今まで気づかなかったオレって本当バカ。生粋のバカだね。

帝人が不思議そうに首を傾げていたので、床に押し倒して、お返しに首を絞めてあげる。そうすれば、顔を赤くして必死にもがく。可愛い、オレの帝人。


「ね、帝人。オレを見てよ。感じてよ」

「苦、し…!止、め」

「帝人、帝人、帝人…!」


そっと額に唇を当てる。その時力が緩んだのか、帝人が下から抜け出した。あ、今オレを見てくれている。


「やっと見てくれたね。帝人」


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