慰められて嫉妬して
て、天変地異…?僕がポカンとした顔になっていると、僕の顔をした人がバシッと白衣の人を叩いた。結構痛そうだ。
「新羅、デカイ声出すな。うるせえ」
「あ、ああごめん、ってなんで僕の名前を!?」
「あー……なんか、状況が分かってきました」
彼と僕は入れ替わっていた。それも性格と思考がそっくりそのまま。変わっているのは外見だけだった。
♂♀
「つまり、そんな漫画みてえなことがお前と俺の間で起きたってことか」
「そうですね。認めたくありませんが」
自分に敬語を使われる日が来るとはな…。ひとまず新羅を部屋から追い出して(「僕とセルティの家なのに!」と喚いていたが無視)話し合うことにした。
「あの、話が変わりますが…あの時、助けてくれてありがとうございました」
「まあ、そのせいで二人ともこうなっちまったけどな」
「僕は気にしてませんよ。こうして、平和島さんが噂通りじゃなくて、優しい人だと分かったんですから」
「……そうか」
高校生で年下のコイツに慰められた様な気がして、なんか恥ずかしい。顔を隠すように俯いた。
「あ、そうだ。僕の名前は名字名前です。来良学園に通ってます」
「来良…?ああ、俺も通ってた」
「へえ、そうなんですか!なんというか、運命的ですね」
……やはり俺は無邪気な笑顔を、こんな風に晒せない。温かみのある名前に、少し嫉妬を覚えた。
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