暑い熱いサンシャイン
夏服に変わって暑さが更に押し寄せてきて、アイスが美味しい時期になった。
夕方なのに肌にまとわりつく熱気は変わらない。ガリガリとアイスをかじるけど、あまり体感温度は変わらず。
「ね!皐月ちゃんもそう思わない!?」
「いいねー…」
「皐月君、大丈夫ですか…?顔が真っ赤…」
「れいれいはどうしてそんなに赤くないんすか……死にそうなんだけど」
「もう聞いててよっ!マコちゃんは合宿、どう!?」
合宿かー合宿するのか。僕が溶けそうになっているのに合宿なんて……死亡フラグだ。
渚はそれに気づかないフリをして、遙や怜にも「強化合宿だよ!」と誘っている。
「……真琴先輩、顔が青くなってますけど…」
「っ、いや…何でもないよ。でも部費で賄えるかなあ」
「えー…できないのマコちゃん…?」
「キャンプみたいなことだったら大丈夫かも……。家にそういう道具とか、あった気がするから」
さすが真琴先輩だ。最早、水泳部のお母さん的存在である。
最後の一口を食べようとしたら、横からペンギンがかっさらっていった。
「渚お前、僕のっ……!」
「さっき話をちゃんと聞いてくれなかった罰だもん」
「もん、じゃないだろ…。はあ……」
今度からは早食いで済ませなきゃ…。肩を落とす僕に遙が食べかけのアイスを差し出してきた。あ、ソーダ味。
「一口だけ、やる」
「ダメだよハルちゃん!これは皐月ちゃんへの制裁なんだからっ!」
「……早く食え」
戸惑っていたら無理矢理口に押し込まれた。良い子のみんなはマネをしないように。
口の端からちょっと欠片がついたし……べたべたする。
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