一緒にトレーニング
今日も今日とて、竜ヶ崎の水泳練習の特訓に付き合う。本日のメニューはブレなり。
「一文字変えたら大胸筋サポーターだって思ったでしょ皐月ちゃん!!」
「だいきょ…なに?」
「ブ、むぐぐっ!」
「な〜ぎ〜さ〜!早く怜に教えなさい!」
「はーい」
渚はつまらなさそうに真琴先輩の手からすり抜けて、プールに入った。いいなー僕も泳ぎたい。
竜ヶ崎の気を散らさないように、真琴先輩の隣に座った。暇つぶしにつついてみる。あ、びくびくしてる楽しい。
「皐月!も、こそばゆいんだって……!」
「つんつんしてるだけじゃないですか。真琴先輩、筋肉あっていいなー」
「……いいからやめなさい。皐月は筋トレとかしてる?」
「水泳やめてから全然です。見てくださいこの力こぶ!」
「…うん、無いよ?薄っぺらいなあ」
真琴先輩に脇腹をつんつんと人差し指でつつかれた。確かにこそばゆいな。
お返しに上腕ニ頭筋を握りしめる。うわ、硬いよ!なんなんですか先輩。さすが真琴先輩だ。
「ちょっと!皐月ちゃんとマコちゃん遊んでないでちゃんと見ててよ!!」
「だって真琴先輩の反応が可愛いから」
「は、はあ!?」
「可愛いですよ、ほら」
「ひっ!やめろって……!」
「……マコちゃんがそんなにあざといって思わなかった!!マコちゃんのばかあーー!」
渚が手を上に挙げたせいで、掌に掴まっていた竜ヶ崎はぶくぶくと沈んだ。南無三……合掌。
「僕はまだ死んでません!!」
「…うるさい」
「ほらほら竜ヶ崎は静かに泳げ」
「ぐぅ、海乃君のせいなのに……!」
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