バレンタイン小説 | ナノ

いざやさんに!


あのあと、結局返り討ちにされコテンパンナちゃんにされた私。心身共にボロボロです…。臨也さんによしよしされたい…。


「あれ…臨也さん…!?」

「なに、俺が居ちゃいけないわけ?」

「めめめめ滅相もございません!さ、上がってください!」


臨也さんが玄関の扉に凭れて待っていた!ここは聖地にしましょう。

……なんだか今日の臨也さんは機嫌が斜めだなぁ。仕方ない、ここはタマ、一肌脱ぎます!悶々と私が考えていたら、臨也さんはちゃっかりソファに座って、眉間に皺を寄せていた。


「茶を出して客をもてなすこともできないのかい?」

「あっ、そうでした!えへへ、うっかりしてました」

「……もういいや。面倒くさい」


不意にぐいっと臨也さんに腕を引っ張られ、足の間に入ってしまった。あら、やだ、恥ずかしい。後ろから臨也さんの温度が伝わってきて、なんか、胸が苦しいです。


「ねえ、シズちゃんにチョコあげたの?」

「え、ええ……臨也さんにあげようと思ってた物を…。不味いって散々な言われ様でしたけど」

「ふーん、俺がいらないって言ったら、シズちゃんにあげちゃうんだぁ」

「だっ、て、臨也さんが…ひっ!」


さっきから耳元でボソボソ呟くから、こしょばゆくてしょうがない。変な声とか荒い息とか出ちゃって、タマちゃん恥ずかしい。


「耳の感度、いいね。面白い」

「面白くなんか…!うあっ、ふふ、止めてくださ、あ!」


パッと手と身体を離され、臨也さんはすっきりした顔で「はい、おーしまい」と言った。ソファから床に落とされ、対する私はむずむずと行き場のない感情を抱えていた。


「臨也さん……ずるい」

「言いたいことがあるなら、その口で言ったら?」


ねえ?と靴下を履いたままの足で顎を持ち上げられる。なんて屈辱的なんだろう。そんな侮辱に瞳を潤ませて、期待しちゃってる満身創痍な私が言うことじゃないけど。


「もっと…触ってください」

「どこを?」

「み、みみ、です…」

「よくできました。じゃあ、俺用のチョコを作ってからご褒美に、ね」

「……え?ええっ!?」


まさに外道。もちろん臨也さんの為に作りましたよ!!(泣)誠心誠意をこめてね!

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