バレンタイン小説 | ナノ

へーわさんに!


今日はバレンタインデー。もちろん臨也さんに特大チョコ…を作りたかったけど、それを見抜いていたのか「気持ちだけで十分(気持ちもいらないけど)」と言われてしまった。

にゃーん……タマちゃんショック。あとはどうやって運ぶか悩んでいたただけなのに。


「というわけで、へーわさんにハッピーバレンタイン!」

「俺は残飯処理係かよ」

「えっ?違うんですかって痛っ!いててて!!」

「バカ猫には道徳心っつーのがねえのか?あん?」


頭をぐりぐりされてタマちゃんやばば!ていうかさっきから鳥肌がスタンドしてるんですけど!不快!


「そんなもん野良猫にでも食わしとけ、です。とにかく、へーわさん食べてください」

「嫌だ」

「なーんーで!トムさんは『静雄は甘いモンが好きだぞ(キリリ)』って言ってたのにぃ!」

「トムさんはもっとかっこいい声だ、出直せ」

「もーそういう問題じゃないんです!早く食べてください!」

「お前が食べればいいじゃねえか」


ぐっと言葉に詰まる。畜生め……この男、私がチョコを嫌いなことを知っていて…!?(前に食べて呼吸困難になって生死の境をさ迷ったため)


「私は…いーんですよっ。へーわさんに食べてほしいの!食え!悔い改めよ!」

「んぐっ!!もがががが」

「たーべーろっ!食っべっろ!」


ごくんと飲み込んだへーわさんは肩をプルプル震わせ始めた。あれ、美味しすぎて感動しちゃった感じですか?


「なんつーモンを食わせやがるんだァ!!」

「に゙ゃぐっ!!」

「不味いし、しょっぱいし、殺されてえのか?なあ?」

「げほっ、ぺっ。だって…チョコは、その、食べられないんですよっ」

「ふーん……。こんなクソ不味いモンをトムさんに食べさせんなよ?いいな?」


ぎろりとこちらを睨むへーわさんは般若のお面みたい。マジで怖いから!

優しいんですね、って誉めたら「お前とクソ蟲以外にはな」と返ってきた。ジャーマンスープレックスをかけていいですよね?ね!

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