バレンタイン小説 | ナノ

緑間と!


放課後、僕は緑間にもチョコを渡そうか迷っていた。うーん…高尾にあげたし、緑間にも……。

教室に一人で考えていたら、教卓側の扉が開いた。目を遣ると、僕が考えていた人物だった。


「あれ、緑間じゃん。どうした?」

「チョコを…お前にやろうと思ってな。多すぎて食べられないのだよ」

「はは、残念だな。僕、甘い物が苦手なんだ」

「そうか……。じゃあ先輩に、」
「あ!緑間、これあげる」


椅子から立ち上がり、チョコが入った箱を緑間に持って行く、そのとき。

僕は足を絡ませ、転けてしまった。み、緑間に受け止められたけど…。なんかこの前のことがあったから妙に恥ずかしい。

うーん…僕が倒れかかっても緑間はビクともしなかった。なんだか複雑だ。そう思いながら、よろよろと立ち上がる。


「ご、ごめん、ありがと」

「お前は軽いな。ちゃんと三食食べているのか?」

「軽くないし、食べてるよ!」

「ふん、そうか」


変な間が空かないうちに、緑間に箱を渡す。緑間は奇妙な物を見るように、箱を見ていた。いや、毒はいれてないよ。


「毒は入れてないって」

「そういうことじゃない。お前から貰えるとは思ってなかったからな」

「ふーん。あ、それは先輩にあげんなよ」

「わかっている」

「ならばよろしい。ホワイトデーのお返し、楽しみにしているからな!」


そう言うと緑間は「善処するのだよ」と言った。緑間らしい回答だ。

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