豪奢な絨毯の上に座る五人。シンドバッドを除いた四人は、すごいとはしゃいでいた。だが、シンドバッドは納得していないようだった。
「本当はタタミという敷物が良かったんだが……生憎手に入らなくてね」
「新しい畳は匂いがすごいので、ワタシはこっちがいいですよ」
「へえ!タタミってどんなのなんだい?」
「こっちでいう藁みたいなものを編んで作った物だよ。直に寝ると、背中が痛くなるくらい堅いのさ」
璃里が懐かしむように説明していると、アラジンは「璃里君はタタミが大好きなんだね」と言った。
ジャーファルの咳払いで、ようやく座る一行。モルジアナ以外は皆、胡座をかいていた。
「ビシバシ、といきますので、頑張ってくださいね」
語尾に☆マークが付くくらいのジャーファルの明るい声に、シンドバッドとアリババは顔をひきつらせた。
静かに目を閉じ、何も考えない。もちろん、喋るのはダメだ。身動きをすれば最期、ジャーファルに殺られる。
座禅というより、最早罰ゲームである。