It was found at last.
幼なじみの僕たちは、毎年同じようにクリスマスや正月を迎えていた。しかし、今年は少し違った。
「クリスマス会に誘われたんだ」
「へえ……。そんで?」
「だからお母さんには、僕の分はいらないって言っておいて。本当、悪いけどさ…」
「別に気にしねえと思うけど?あーでも、妹達が寂しがるかもな」
からから笑う高尾に、ごめんなと両手を前で合わせて謝った。高尾の妹ちゃん達に、プレゼントを買わなきゃなあ。
部活のクリスマス会なのに、なんで酒盛りしてんだよ…。僕はそう思いながら、酔ってしまった女子マネージャーを、家へ送り届けていた。まあ、僕も先輩に飲まされたから少し酔っている。
「平塚君てぇ、やっぱり優しいし、人気なのが分かるぅ」
「あー、そうかな?」
「だってかっこよくて、剣道も凄腕じゃん?あたし、好きかも!」
なんだ、その曖昧な好きは。心中でそう冷静に突っ込んでいるけど、腕に柔らかな感触を感じ、なんだかんだでどきまぎ。
僕だって普通の男子高校生だ。女の子特有の柔らかさやいい匂いに反応してしまう。しかも、酒が少し残っているし。
「ねぇ…。あたしんち、今日は誰もいないんだ……。だから…寂しいの…!」
「そ、そうなんだ!あっ、でも、僕は高尾の妹ちゃん達に――」
「いっつもそうだよね」
「は?」
気づいたら酔いが覚めた女子がいた。何これ、修羅場?僕は状況を上手く飲み込めず、絡みついていた腕を離したマネージャーを黙って見ていた。
「いっつもそう。何か誘えば高尾君、高尾君。なあに?平塚君は、高尾君が好きなの?」
「えっ?いや、僕は女の子が好きだし、ただ…君が好みじゃないだけだよ」
「っ!あっそ。じゃあまた来年!」
「えっ、うん。お休みなさい」
バタン!と勢いよく閉まったドア。寂しいんじゃなかったのか。意味が分からない。
あちゃー。なんでフっちゃったんだろう。そういえば、どうして僕は告白されても付き合わないんだろう。
「……そりゃ、ホモ疑惑が立ってもおかしくないか」
口を開けば高尾、高尾、か…。気づけば僕は走り出していた。もう21時か。身体に残っている酒が少しクラクラさせる。
高尾に、会いに行かなきゃ。
「高尾っ!」
「うお、祐希かよ。なんかお前、酒臭くねえ…?」
「……うん。酔ったから、ちょっとこのままでいて」
「…………おう」
少し、自分の気持ちに気づいてしまった。長年高尾に抱き続けたこの感情。僕は今それに振り回され、高尾に抱きついている。
あとで聞かれた時、酔ってて覚えていないって言えばいっか。僕はそう思い、高尾の背中に身を委ねた。
Merry Christmas!!
エキサイト翻訳だから……合ってないかも
It was found at last.(やっと見つけた。)
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