答え:曖昧な関係

「あーもう無理。死ぬ。確実に死ぬわ」

「ちょっと正臣手が止まっているよ!!もう、祐希みたいに真面目にやりなよ…」


僕は帝人君と正臣君、そして紅一点の園原さんと、帝人君の家で勉強会をしていた。冬休みの課題を、さっさと終わらせようという名目で集まったけど…。


「なぁ〜祐希、今から池袋に行って可愛い女の子をゲットしようぜ?」

「可愛い女の子なら園原さんがいるから十分でしょ。え、どうしたの、正臣君…急に固まって」

「祐希は天然タラシか…!?」

「正臣静かにして」


園原さんは何故か顔を真っ赤にしていた。僕はよくわからなかったが、とりあえず課題を優先した。


「喉乾いたー!帝人、ジュース買ってきてよ」

「やだよ。自分で買いに行きなって」

「じゃあ僕が買ってくる。喉乾いたし」


すると正臣君は目を輝かせ「さっすが祐希!よっ、男前!」と手を揉んでいた。僕はそれを無視して、着てきたコートを羽織った。

外に出たら、黒いファーコートを着た人が立っていた。僕を見るなりフレンドリーに話しかけてきた。正直なところ怖い。イケメンだし、爽やかだし。


「やあ、君は帝人君の友達かな?」

「そうですけど…」

「ふうん…。あれ、帝人君は?」

「家にいますよ。僕はジュースを買いに出てきただけです」

「そっか。ねぇ、今から――」
「祐希!遅いと思ったら何して……あ、臨也さん」


臨也さん?黒いファーコートのイケメンは、帝人君に爽やかな笑顔を向けた。帝人君は有名人を見るような目で、彼を見ている。

何となく、臨也さんと呼ばれた彼が羨ましいと思った。


「ちょっと帝人君に会おうと思ったけど……彼が焼きもちしているみたいだから、今日は帰るね」

「…っ!」

「わ、わかりました。祐希?どうしたの?」


ギュッと帝人君の腕を掴んでしまった。帝人君に抱く感情の正体が分かってしまった。僕は「何でもない」と曖昧に笑って誤魔化した。

Merry Christmas!!

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