サンタなんていない

「何が試合だっての」


バスケの試合があるということで、青峰に呼び出された私。クリスマスだから、青峰と…二人で遊びたかったのに。ああ、でも試合中の青峰、かっこよかったな。

吐き出した息は白くなって消えていく。その儚さに目を細める。私もさつきちゃんみたいに、巨乳で儚い雰囲気の子になりたいな。


「うー、サンタさんいないかなあ」

「いねえだろ、普通に」

「うわああ青峰!?も、もう終わった?の?」

「腹へった。何かよこせ」

「……はあ。はい、焼きそばパン」

「あんがと」


青峰が私を何時間待たせようと謝ったことは一度もない。ていうか、コイツが謝っても反省していなさそうだし。もぐもぐ食べる彼の口の横にパンくずが付いていた。


「青峰、パンついてる」

「あ?どこだよ」


面倒だったから背伸びしてぱくりと食べた、ら、青峰はガングロな顔を真っ赤にさせた。なんだコイツ、面白い。


「な、な、なに、は!?」

「なに吃ってんのよ。そういえば…赤司にも同じことしたら、誰にもするなって言われてたっけ」

「当たり前だろ!!えっ、赤司にもしたのかよ!?」

「なんか固まってたし……。私って、そんなに魅力がないのかな…」


はあ……。確かに男バスマネの子より顔面偏差値が低いし、胸も小さいし……。なんか悲しくなってきた。


「ま、まあ、気にすんなって」

「……さつきちゃんになりたい。ボンキュッボンで、男を骨抜きにさせるくらいになりたい!!」

「麻里の…その……小さい胸もなかなかゴファッ!?」

「乙女が気にしていることを口に出すなバカ峰!!」

「せっかくフォローしてやったのになんだよその態度!?」


サンタさん、クリスマスプレゼントは可愛い顔面とナイスボディーが欲しいです。

Merry Christmas!!

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