屋上にて | ナノ


憂side

どうしてこんなことになったんだ。僕は、今、教室の前にいる。


涙を隠してしまえたら


何故僕が今まで避けてきた教室を訪れているのかというと、テツヤと仲直りしてから数日経った昨日の昼休み、テツヤ達が昼食を摂っている時だった。

テツヤがふと「憂は教室に行ってるんですか?」と聞いてきた。

私はその問いに、フェンスの網を握りながら首を横に振った。


「それなら、明日から行こうか」


黄瀬がにっこりと笑いながら言った。正直、鳥肌が立った。なんでも明日は雨だから、屋上には行けない。

だから、ご飯は教室で食べる、と。別に教室じゃなくて階段の踊り場でいいのに。僕はいつも雨の日はそうやって凌いだ。


「お腹いたい……」


教室の扉の前で涙目で右往左往しながら、昨日の黄瀬に向かって脳内で罵詈雑言を吐いていた。

何が教室で食べるだ!僕は食べないから別に……あ、でもテツヤ…ううううう。


「おい」

「うう……どうしよう、どうしよう…」

「おいそこのお前!」

「ひいっ!?」


振り返ると、黄瀬より高い緑の頭をした男が立っていた。ヤバいヤバいヤバい殺される…!


「教室に入らないのか」

「ふえ…?」

「というより、お前を見たことがないな…」


当たり前です、だって僕、今日初めて教室登校するし、と言おうとしたら、頭が予想外に早くもキャパオーバーになったらしい。

ぐらりと横に、倒れた。なんか緑色が言ってるけど、聞こえないな…。あ、テツ、ヤ……おはよ、う……。

そこからの記憶はない。




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